スリルなき日本のトーナメントコースへの警鐘 大半の試合でバーディーのバーゲンセール
「コースにとってスリルは中心的な課題である。アマチュアは冒険を求めてスリルを楽しむが、生活がかかるプロはスリルを純粋に楽しむ余裕がない。確率の低い冒険は好まない。しかし冒険しないとバーディー、イーグルは取れない。そこで彼ら(プロ)は低い確率を少しでも高めるために精神、技術を磨く。スリルとは喜び楽しむものというより、自らを高めることで“平凡無害”にしなければならないものである。(難しいホールでの)スリリングな一打は技量の上下を分けるふるいの役割を果たす」
金田氏の指摘はスリルのない易しいコースでバーディーを量産すればギャラリーが喜ぶという思考が蔓延している日本プロゴルフ界への警鐘でもある。バーディーのバーゲンセールは、選手の実力をふるい分ける効果も薄く、難コースで“平凡無害”を身に付けた欧米の選手に後れをとる一方だ。