今季4勝目の比嘉一貴が「プロになっての目標」とこだわる国内賞金王にどれだけの価値が?
それにしても、比嘉がこだわる国内の賞金王にどれだけの価値があるのか。オフィシャルワールドゴルフランキング(OWGR)は今年8月9日から新システムがスタートし、国内で最もポイントが高い日本オープンは優勝者の獲得ポイントが32から8.57まで下げられた。レベルが低い日本ツアーで好成績を収めても、世界ランクを上げていくことは容易ではない。
かつては、国内の賞金王がマスターズに招待された時代もある。尾崎将司、中嶋常幸、青木功が全盛の頃がそうだった。現在は賞金王になっても全英オープンの出場は約束されても、他のメジャー(マスターズ、全米オープン、全米プロ)には出られない。
ただし、国内の賞金王は翌年から5年間の複数年シードを手にできる。比嘉が来年、米下部ツアーの予選会を受けて首尾よく上位5人に入れば下部ツアーを経ずに、即米ツアーカードが手に入る。下部ツアーで戦うことになっても、シーズン終了時のポイントランクで30位以内に入れば24年から米ツアーに参戦できる。
そこで成績が悪くても、「5年シード」は国内ツアーに復帰できる「保険」にはなるが、そもそもそんなことを考えている選手は海外ツアーで成功できないだろう。