スピードスケート高木美帆はW杯で苦戦も…今季最大の敵は「環境の変化」にあり
「無双」とはいかなかった。
スピードスケートW杯(カリガリー)第3戦最終日の11日、今年2月の北京五輪で1000メートルの金を含む4つのメダルを獲得した高木美帆(28)は、女子1000メートルで4位に終わった。前日の1500メートルは優勝したが、500メートルでは格下のBクラスに出場。W杯第1戦は1500メートルで優勝したものの、第2戦では1000メートル、1500メートルともに2位。3000メートルは13位と惨敗だった。1500メートルで世界記録を持つ高木だが、オールラウンダーとしての戦い方に苦慮しているようだ。
今季は北京五輪後初めてのシーズン。北京では5種目に挑戦してフル回転しただけに、「燃え尽き症候群」になってもおかしくないし、日本の女子スピードスケート界を牽引してきた小平奈緒(36)も引退した。「これからは自分が先頭に立ってスケート界を引っ張っていかなければ」と重圧を感じているかもしれない。
何より高木は、今季から環境が大きく変化した。ナショナルチーム(NT)を離れ、北京五輪まで日本代表チームのコーチを務めていたヨハン・デイビット氏と新チームを結成。北海道を拠点にオランダと行き来しながら、二人三脚で活動することになった。NTとは違い、個人での活動となると遠征先の宿舎や航空券の準備はもちろん、コーチの給与やスタッフの手配も自らの手で管理しなければならない。マネジャーに一任していたとしても、何かがあった場合、高木本人に責任がのしかかる。
変化に対応してこそ真の女王か。