近藤健介「7年50億円超」でソフトバンク入りの反動…4球団の恨みつらみ、日本ハムが狙う人的補償は?
人的補償で柳田、森、今宮が奪われる可能性
日本ハムのターゲットは誰か。
近藤の今季年俸は2億5500万円でAランクに該当する。日本ハムはソフトバンクに対し、金銭(2億400万円=旧年俸の80%)のみの補償か、人的プラス金銭補償(1億2750万円=旧年俸の50%)のいずれかを要求することになる。
来年から新球場へ移転。新庄監督も「日本一だけを目指す」と言っている。近藤流出による戦力ダウンは大きいうえ、ソフトバンクは12球団屈指の戦力を有する。実績あるベテランやかつてのドラフト1位選手もプロテクトから漏れる確率が高いだけに、人的補償を選択するとみられる。
「プロテクトされない選手は、高年俸であっても取りに行くでしょう」とは、セ球団の編成担当。
「ソフトバンクの年俸上位3傑は、1位・柳田(6.2億円プラス出来高)、2位・森(4.6億円)、3位・今宮(2.9億円)。若手や中堅を中心にプロテクトすれば、彼らは守り切れないかもしれない。日本ハムは近藤を引き留めるために、巨額の資金を用意していた。17年オフに捕手の大野がFAで中日へ移籍した際は人的補償として、セーブ数の日本記録保持者(407)で、当時43歳ながら一軍で26ホールドを挙げた岩瀬の指名を検討したほど。新庄監督しかり、常識にとらわれない球団です。もし柳田らがプロテクト漏れすれば指名もいとわない」
■四軍までつくってもチームは硬直化
ソフトバンクの周辺では、チームの硬直化を危惧する声もある。近藤は定位置の左翼に固定されることが濃厚。外野と一塁を兼務していた栗原は来季から三塁へコンバートされ、今季120試合に出場して内外野を守ったユーティリティーの牧原は中堅のレギュラー取りを目指している。
「牧原が中堅にハマれば、あいているポジションは指名打者だけ、となりかねない。捕手は甲斐、一塁は中村晃と新助っ人のアストゥディーヨ(マーリンズ3A)がいて、二遊間は三森と今宮がレギュラーの有力候補。外野も主砲の柳田が右翼にいて、そこに近藤が加わったことで、むこう7年間、左翼が固定される可能性もある。柳田か近藤を指名打者に回す試合があるにせよ、他球団ならレギュラー級の周東、上林、野村勇らがベンチを温めるケースが増えるでしょう。育成に注力して四軍をつくっても、若手がポジションをつかむのは極めて難しくなった」(球団OB)
近藤の加入で戦力アップは間違いないが、選手間の競争力が低下するのは必至だ。