阪神ドラフト2位横田慎太郎さん 脳腫瘍により24歳で引退…難病を2度克服した「乗り越え方」

公開日: 更新日:

地元鹿児島に帰郷、2度目の難病に襲われる

 地元鹿児島に帰郷し生活を送るも、さらなる試練が襲った。今度は足腰に痛みが走り、検査をしたところ、脊髄に腫瘍が見つかったのだ。ちょうどこのとき、初の自著「奇跡のバックホーム」(幻冬舎)の出版を控えていたが、コロナ禍で2度目の治療を行った。

 だが、今度の治療は目標が見い出せず、身体が悲鳴をあげているようで毎日が辛く、初めて母親に弱音を吐いたという。

 それでも、「一度乗った船は絶対に降りられないよ。後の港で一緒に降りよう」と、まなみさんの言葉で持ち直した。

 歯を食いしばり、2度目の病気を乗り越えた。

「また復活して、同じように苦しんでいる人たちの力になりたい、元気を与えたい。支えてくれた人たちに恩返しがしたい」と語る横田さん。昨年は、俳優の間宮祥太朗さん(29)主演で自身のドキュメンタリードラマ「奇跡のバックホーム」(テレビ朝日系)が放送されたが、横田さんのドラマは今なお続いている。

 ──いつも目標を掲げ、達成している横田さんですが、目標がない人、失ってしまった人はどうしたらいいですか?

「まず親に感謝して、仲間を大切にしてください。苦しい時でも下を向かないでください。自ずと目標や楽しみが見つかります。僕は今、普通の生活ができることの幸せを感じています」

 まだ27歳。壮絶なドラマを体験した横田さんの今の目標は「元の身体に戻すこと」

 その諦めない心と真っ直ぐな気持ちは、今の時代にもっとも必要なことかもしれない。

(取材・文=よしだゆみ/ライター)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…