大谷のWBC“二刀流出場”めぐる胸三寸 栗山監督率いる侍J側とメジャー側で水面下の綱引き
投資家たちの真の狙いは二刀流? 球団売却交渉にも影響大
中でもエンゼルスは現在、球団売却交渉の真っ最中。買収には複数の投資家が名乗りを上げているとされ、売却額は史上最高の30億ドル(約3900億円)以上と予想されている。
エ軍が高値で取引されるのは本拠地エンゼルスタジアムの立地やアナハイムの温暖な気候などが要因として挙げられるが、エ軍を買いたいという投資家たちの真の狙いは二刀流に他ならない。
戦力としてはもちろん、大谷の二刀流はいまや全米中の大きな話題。ビジネスとして欠かせない存在だからだ。その大谷がWBCで故障して長期離脱を強いられるようなことになればエ軍の価値自体が暴落しかねないうえ、売却交渉にも支障が出てくるかもしれない。
大谷の今季年俸は3000万ドル(約39億円)。FAになる今オフは新たに史上最高額となる5億ドル(約652億円)規模の契約を結ぶと予想されている。二刀流の去就を巡ってはドジャース、ヤンキースといった資金力豊富な球団も関心を寄せているだけに、大谷のカラダはエ軍だけでなく多くのチームにとって最大の関心事なのだ。
なにしろドタキャンは米国の“文化”でもある。何だかんだと理由をつけ、大会直前になって大谷の投手としての出場にイチャモンをつけてくる可能性は否定できない。
さて、当の本人は昨年10月に帰国した際、「WBCで先発するなら60~70球ぐらい投げられるようにしないといけない。先発じゃないなら(調整を)早めなくていい」とリリーフでの登板を示唆。栗山監督同様、二刀流が前提のような発言にも聞こえるものの、今後、水面下で日本側とメジャー側で綱引きが行われるようなら、二刀流での出場に影響が及ぶのは必至だ。