ロシアとウクライナのはざまで揺れるIOCの苦悩 バッハ会長の手紙につづられていたジレンマ
プーチンとゼレンスキーのはざまで揺れ動くIOCの苦悩は続く。「奇麗事を言っている場合か?」ということだろう。ならばバッハはゼレンスキーの招待に応えてウクライナを再び訪れるべきかも知れない。昨年7月に訪れた時は、ウクライナ選手救援基金を250万ドルから750万ドルに引き上げると約束した。今度は五輪憲章改正を伝えたらどうだろう。ジレンマを打ち破り、「戦争反対を表明する者のみが五輪に参加できる」と。
そうなるとプーチンはもちろん、ゼレンスキーも五輪から排除されることになる。
▽春日良一(かすが・りょういち) 長野県出身。上智大学哲学科卒。1978年に日本体育協会に入る。89年に新生JOCに移り、IOC渉外担当に。90年長野五輪招致委員会に出向、招致活動に関わる。95年にJOCを退職。スポーツコンサルティング会社を設立し、代表に。98年から五輪批評「スポーツ思考」(メルマガ)主筆。