栗山監督のWBC“大谷リアル二刀流”構想が吹き飛ぶこれだけの根拠 エ軍GMは「制限なし」発言
昨季OP戦でリアル二刀流は開幕直前1試合のみ
1次ラウンド初戦の中国戦(3月9日)か2戦目の韓国戦(同10日)に登板すれば、日本が順当に勝ち進んでも残り1試合しかマウンドに上がれない計算。先発だけでなく抑えでも……なんてもってのほかだ。
栗山監督が当然のように考えているリアル二刀流構想にしても、昨季オープン戦では開幕直前の1試合だけ。それだけ負担が大きいからで、エ軍が容認するとは思えない。
大リーグに詳しいスポーツライターの友成那智氏がこう言った。
「栗山監督はミナシアンGMの『起用法に制限をかけない』との発言を真に受けない方がいいでしょう。エ軍フロントにとっては大谷がWBCよりもレギュラーシーズンで活躍して欲しいのが本音。そもそも、メジャーではプレーオフ進出争いが熾烈になる9月やポストシーズン本番での活躍が評価され、実績のある選手の多くはキャンプ、オープン戦を含めて春先は助走期間とし、ピークはあくまでもレギュラーシーズン終盤に位置付けている。エ軍首脳陣がオープン戦で大谷の球数を厳密に定めているのは二刀流の負担を考慮しているのはもちろん、夏場以降に失速させないためです。ミナシアンGMが春先から大谷のフル回転を容認するとは考えにくい」
■なんだかんだと注文
今オフのエ軍は投手、野手とも積極的な補強を行い、大谷とはFA取得前の選手としては高額となる1年3000万ドル(約39億円)で契約した。40人枠の年俸総額は2億2100万ドル(約287億円)。ミナシアンGMによれば、過去最高額で、ぜいたく税の支払い基準である2億3300万ドル(約303億円)に迫っている。
同GMは戦力が整った今季のポストシーズン進出への手ごたえを口にしているだけに、そのための重要なピースである大谷の故障だけは避けたいはずだ。
「ミナシアンGMがWBCでの大谷の起用法に目を光らせるのは当然で、大会が開幕してからは栗山監督ら日本代表になんだかんだと注文をつけるはずです。所属先から連日のように起用法に関して口出しされれば、栗山監督も大谷をフル稼働させるわけにはいかないでしょう」とは前出の友成氏だ。