株式会社BIG UNIT社長 橋本太郎(3)元プロ野球選手という理由で店舗物件の契約が白紙に
株式会社BIG UNIT社長 橋本太郎(36歳/横浜・現DeNA)
横浜時代の同僚・岡本直也氏と飲食事業の起業準備をするため、橋本氏は引退直後から4年間勤めた会社を辞めた。
それから半年間は毎日のように2人でミーティングを重ねた。
「寿司屋を開こうにも職人が必要だし、コスト面で現実的じゃない。そんなことを考えているうちに、食材の販売元を押さえることが重要だと結論付けました。すると、思いがけない幸運があった。岡本さんの高校時代の後輩が神戸牛を飼育する牧場の4代目だったんです。僕らが飲食事業をやると伝えると、最高級の肉を良心的な価格で卸してくれることになりました」
しかし、店舗の物件探しで思わぬ落とし穴が待ち受けていた。赤坂に出店するつもりで不動産会社と話を進め、あとは契約書にサインをするだけ--という土壇場で、元プロ野球選手という経歴がアダになったのだ。
■「ヤクザとつながりがあるに決まっている!」
「物件のオーナーのおばあさんが『元プロ野球選手と力士はヤクザとつながりがあるに決まっている! 絶対に貸さない!』と言い始めてしまって。僕と岡本さんがどれだけ潔白を訴えても、まったく聞く耳を持ってくれなかった。いきなり出はなをくじかれた気持ちでした。結局、六本木の物件を借りて、1号店の開店にこぎ着けましたが……」