<49>侍ジャパンの宮崎合宿に思う…現役時代にはなかった暖かい場所への憧れ
ワールドベースボールクラシック(WBC)が幕を開けた。日本代表の「侍ジャパン」が合宿をしていた宮崎は大盛り上がり。スピードスケート一筋の私にとって暖かい場所での合宿は無縁で、海外のスピードスケート選手も暖かい場所で合宿する習慣はなく、寒冷地でトレーニングすることが多い。
ただ、現役引退後にナショナルチームができてから体制が変わり、宮崎を拠点にした合宿が始まったと聞いた。カルガリー五輪500メートル銅メダリストの黒岩彰さんが広報課長や西武ライオンズ球団代表を歴任したつながりもあったらしい。自身もゴルフができていいなというのもあったのかもしれない(笑)。
暖かい場所でのトレーニングは環境も良く、選手のリフレッシュにもなる。何より、同じ環境でやっているとマンネリ化してしまう。私はいつも寒い場所ばかりだったから羨ましかった。
その反動か、引退してから沖縄に旅行へ行ったこともあった。ぷらっと通りかかった居酒屋にひとりで入り、カウンターで海ぶどうや泡盛を楽しんだことも。沖縄で私のことを知っている人なんていないだろうと思っていたが、街を歩いていたら「あら、朋ちゃん」と声をかけられたり。「私のこと知っているんですか?」と聞くと、「知ってるさぁ~。こっちにスケート場あったっけ?」と言われた。調べてみると、小さなアイスリンクが1つだけあるという。現役引退後に一度、そこでスケート教室を開いた。子どもたちはやっぱりのみ込みが早く、みんなが笑顔で楽しそうなのがうれしかったことを思い出す。