朝から晩まで続くWBC狂騒の薄気味悪さ…異様な同調圧力、コメンテーター“ヨイショ”一辺倒
■人気に便乗したい政府の思うツボ
「いずれにしろ、政府はニンマリしているでしょう。テレビが日本代表の世界一を盛り上げてくれれば五輪と同じで国威発揚につながる。『侍ジャパン』という呼称にしてもそう。女子サッカーの『なでしこ』も同じで時代錯誤も甚だしい。自己犠牲、滅私奉公のイメージが刷り込まれる。テレビの狂騒によってそういうマインドが熟成される。防衛力強化に血道を上げる政府の思うツボではないか。そういうものにスポーツが利用されかねないことを、野球関係者も選手自身も自覚して、問題意識を持たなければいけないはずなんですが………。ダルビッシュ投手が大会前から、気負い過ぎるチームやメディアをたしなめるように、『戦争に行くわけじゃない』『楽しくやろう』と言っていたのが救いでした」
決勝で米国代表を下した翌日、疲労困憊の日本代表は首相官邸に招待され、岸田首相の横で愛想笑いを浮かべていた。案の定、自民党安倍派の塩谷立会長代理が松野博一官房長官に、「国民栄誉賞は難しいかもしれないが、政府で何らかの表彰を」と求めるなど、日本代表人気、大谷人気に便乗したい思惑がありありだ。こんなところにも、WBC狂騒の薄気味悪さが表れている。