酒田南の“変貌”にライバル校が要警戒!集団喫煙事件が「膿を出すきっかけになったかも」
春夏11回の甲子園出場経験を誇る強豪校の野球部員11人の喫煙が発覚──。
昨夏、メディアがこのように報じ、世間に大きな衝撃を与えたのが酒田南(山形)の集団喫煙事件だ。昨年8月、寮の管理人がゴミの分別の際に、空き缶の中から吸い殻を見つけた。2年生部員が寮内で喫煙したとして秋季大会を出場辞退するハメになった。
喫煙者が「11人」と聞くと大問題だが、実情は少し異なるようだ。地元関係者によると、喫煙したのは2人だけで、残りの部員は「見ていたのに止めなかったから同罪」という学校判断が下されたという。
2020年からチームの指揮を執る同校OBの北川泰俊監督は就任時から3~5年計画でチームをつくり上げることを目標にしてきた。喫煙事件によってその計画は頓挫したかと思われたが、同監督は先を見据えて、主力の新3年生の大半を1年春から実績を度外視して積極的に起用。これが奏功したのか、県内のライバル校が夏に向けて大いに警戒しているという。
酒田南について地元では「中学時代の勉強の成績や素行などはあくまで二の次。野球の実力重視で生徒を集めている」との声もある。在学中に野球を通じて人間性などを教育する方針のようで、その過程で道を踏み外す生徒が出てしまったものの、「チームにたまった膿を出すきっかけになったかもしれない」と、ライバル校の関係者は言う。
秋季大会を辞退したことでその実力は未知数。12年の夏以降、甲子園から遠ざかっているが、夏はおもしろい存在になりそうだ。