新ルールは大谷翔平“トリプルスリー”に追い風も…ライバル球団が仕掛ける投手大谷への足技
今季から導入された新ルールは打撃面では恩恵をもたらしそうだ。
一、二塁間に3人の野手を配置するなどの極端な守備シフトが禁止されたことは有利となる。
米野球データサイト「スタットキャスト」によれば、昨季の大谷は652打席のうち、約90%にあたる576打席で守備シフトが敷かれた。1打席当たりの得点貢献度を示すwОBAは3割6分5厘だったが、守備シフトがなければ4割3厘だったと同サイトは試算している。
守備シフト禁止の効果は開幕カードのアスレチックス戦で早速表れた。日本時間3月31日の開幕戦では四回に打球速度179.6キロの強烈な当たりが二塁手のグラブをかすめて今季初安打。同2日の第2戦では六回に強烈なゴロで一、二塁間を破る適時打を放った。いずれも、昨季までならやすやすと打ち取られていた当たりだった。
■打者は有利
大谷もルール変更の利点を実感しており「これまで左バッターが不利すぎたというのがひとつ。これでイーブンになったんじゃないかと思います。アプローチをクリアできれば(3割を)十分狙えるんじゃないか」と話している。
大リーグに詳しいスポーツライターの友成那智氏がこう言う。
「米国の野球専門家は、今季の大谷は打球速度が速いだけに、一、二塁間を破る当たりが増えて打率は少なく見積もっても昨季(.273)よりも4分増えると試算しています。今季の打率は3割を超えるのは確実でしょう。さらに今季からピッチクロック(走者なしで15秒、ありで20秒)、牽制球制限(プレートを外す行為を含めて2回までで3回目に刺せなければボーク)が導入。ベースも従来より一辺が約7.6センチ拡大され、盗塁しやすくなった。一昨年に26盗塁をマークした大谷はトリプルスリー(3割、30本塁打、30盗塁)も不可能ではなく、2年ぶりのMVPも視野に入ってくる」