すっかり円くなった岡田監督の穏便采配が呼び込む18年ぶり「アレ」の予感…抗議や乱闘も今は昔
猛虎軍団は25日から宿敵・巨人、3連覇を狙う王者・ヤクルトとの6連戦に臨む。今季ここまで巨人とは2勝1敗。ヤクルトとは1勝1敗1分け。悲願の「アレ」に向けて手応え十分に4月戦線を終えるか。それとも5月への課題を抱えてしまうか。どちらも一筋縄ではいかない相手だけに、どうする岡田彰布監督(65)。
15年ぶりにタテジマの指揮官に復帰した岡田監督は、第1次政権時とは明らかに姿勢が違う。
ベンチではコワモテのイメージは消え、笑う顔が増えて柔和。心配されたナインとのコミュニケーションづくりも、例えばオープン戦で炎上した青柳、再調整で二軍に落とした浜地とグラウンドで直接対話。ベンチ裏やロッカーでは、もっと多くの意思疎通が図られていることは間違いない。
岡田監督をよく知るチーム関係者は「昔とは違う。だいぶ円くなった」と口をそろえるが、ある意味、円くなりすぎて肩透かしをくったのがマツダで行われた開幕5試合目の広島戦だ。間断なく雨が降り注ぐ中でプレーボールがかかり、結局、0-3で迎えた六回表無死から雨脚が強くなって降雨コールド負け。猛虎は開幕4連勝、広島は同4連敗中だっただけに、残り4イニングもあれば逆転も可能な状況だった。
なので……。「グラウンド状態と今後の予報を説明してほしい」「早すぎるわ。もっと様子をみてもいいんじゃないか」「三回にも土砂降り。やめるんならアソコじゃなかったか」などと、てっきり岡田監督がベンチを飛び出し、審判団に抗議するものと思っていたが、指揮官は「ええ天気でやりたかったけどな。まあ、しゃあない」とアッサリしたものだった。
この変貌したスタンスが、冷静な判断につながったり、選手をリラックスさせて、18年ぶりの「アレ」を呼び込むかもしれない。