横綱・照ノ富士が両ヒザ負傷中も3連勝!冷静沈着な「攻めダルマ」に徹しているのが奏功
手負いだからこそ強い──。
横綱照ノ富士(31)が初日から3連勝。4場所ぶりの出場だが、ブランクを感じさせない相撲を取っている。
16日の相手は遠藤。立ち合いで当たると、相手をいなして体を半回転させてからの突き押し。遠藤は慌てて正面に向き直るも、時すでに遅し。棒立ちでは照ノ富士の攻めをしのぎきれず、あえなく押し出された。
横綱は土俵入りの際も分厚いサポーターを外せず、誰が見ても両ヒザの状態は良くない。だが、それでも勝てるのが横綱の、いや、照ノ富士の強みだろう。
「相撲でもっともヒザに負担がかかるのが、相手に押されて粘った時と、強引に投げを打った時。前に出て攻める分には、それほど負担はかからない。だからこそ、照ノ富士は『攻めダルマ』に徹している」
そう言って、角界OBが続ける。
「もちろん、ただしゃにむに攻めているわけではない。いなされた遠藤が背を向けたからといって突っ込まない。攻めはするが焦らないのです。強引な相撲だとこの日、行司軍配差し違えで勝ちを拾った朝乃山のように、詰めが甘くなる。それに遠藤は土俵際に強く、突き落としなどのタイミングもうまいですから。今の照ノ富士の頭にあるのは、鋭く踏み込んでから腰を落として前に出ることでしょう。これを徹底していることが結果につながっている」