中田翔復帰が巨人の“劇薬”に…原監督には朗報も、門脇誠ベンチ送り必至の痛しかゆし
■勝っている時はメンバーを変えないのが鉄則
広島で投手コーチや編成部長などを歴任した川端順氏はこう言う。
「そうなると、門脇が外されそうですね。勝っている時はメンバーを変えないのが鉄則。せっかく連勝中なのに、流れが変わってしまうことがあるからです。球際が強い門脇の三塁の守備力は、攻撃で得点するのと同じくらいの効力がある。岡本和も一塁の方が打撃に集中できているように見えるし、中田は代打の切り札という使い道もある。門脇が守備固めや代走要員ではもったいないですよね」
巨人でバッテリーコーチなどを務めた秦真司氏(野球解説者)もこう言った。
「今、門脇は三塁から外したくありません。2年連続でゴールデングラブ賞を取っている岡本和もうまいですが前後左右の守備範囲が全然違う。巨人のバッテリーコーチ時代、中堅の守備力が突出していた松本哲也を『打てなくてもいいから使ってください』とミーティングで頼んだことがありました。失点を防ぐだけではなく、バッテリーにも安心感を与えるからです。先日、巨人がDeNAのバウアーを攻略した試合の解説を行った際、門脇が初球にスタートを切ってプロ初盗塁を成功させたのを見て感心しました。足の速さもさることながら、思いきりがいい。中田は離脱する前、巨人打線で最も頼りになる打者だったのは確か。原監督は中田の一塁の守備力も買っています。坂本の状態も上がってきた。岡本和は4番打者なので外野には回しにくい。残念ながら、打率1割台(.164)の門脇を『打てないから』と外すのが一番無難となりかねない。もったいないですよ」
門脇を二塁に回す手はあるが、二塁には吉川がいて、5月の打率が.364と好調だ。中田の離脱後、チームは8勝5敗。せっかく上昇気流に乗ってきたのに、中田が復帰することで、チームのバランスが崩れる危険性がある。「劇薬になりかねない」というなら、痛しかゆしである。