交流戦Vの立役者DeNAバウアーが登板全試合で一発を浴びるワケ…被本塁打11本はセ最多
2020年サイ・ヤング賞投手の面目躍如である。
交流戦を初めて制したDeNA。その原動力になったのが、今季から新加入のトレバー・バウアー(32)だ。
交流戦3試合で3勝無敗、防御率1.50。31奪三振は12球団トップの数字である。
その一方、被本塁打が止む気配がない。交流戦を含めたここまで7試合すべてで一発を浴びており、被本塁打11本はリーグ最多という有様だ。
バウアーの実力は誰しも認めるところ。にも関わらず、こうも本塁打を打たれるのはなぜか。
巨人などでコーチ経験のある秦真司氏(評論家)が言う。
「様々な理由がありますが、まず『自分本位の投球』をしていたことが挙げられます。バウアーは自分で配球を組み立てる投手。自分の投げたいボールを投げているのですが、日本とMLBとでは打者の傾向も違う。だからこそ、メジャーでは安全だったはずのコースに投げ込んで痛打……というケースが多いのでしょう」
バウアーの速球は全体的に高めが多い。これはメジャーでは一発狙いのアッパースイングが主流のため、低めの直球などはすくい上げられて長打にされやすいからだ。直球を投げるなら高めが安全、低めなら変化球というのが、メジャーのセオリーでもある。しかし、アッパースイングの打者が少ない日本では、逆に高めの直球は甘いボールになってしまうのだ。