なでしこW杯8強止まり…スウェーデン戦で痛感した「強力1トップ育成」という課題」
開催中の女子W杯オーストリア・ニュージーランド大会の準々決勝で日本女子代表(なでしこジャパン)は、スウェーデンと対戦して1-2で敗退した。
改めて振り返ると「スウェーデンは、なでしこをよく研究していたな」と感心してしまう。
高さとパワーなどフィジカルで欧州勢に及ばない日本は、俊敏性と献身性を生かしたパスワークで対抗してきた。
基本のフォーメーションは4(DF)-4(MF)-2(FW)で中盤はボックス型だ。それぞれの役割分担がはっきりしており、多くの国が採用しているシステムでもある。
しかし、これまで日本は特に左サイドからの攻撃――シンプルなタテパス1本のカウンターなど――に手を焼いてきた。左SBの個人能力というよりも、レフティー(左利き)に比べて日本の女子サッカー界には、まだまだ右利きの選手が多いからではないか、と推測している。
■4DFを3DFに変更して数的優位を作る
そうした弱点を補うために池田太監督は、3バックの3(DF)-4(MF)-2(2列目)-1(FW)をベースに守備時は右WBの清水梨紗、左WBの遠藤純(杉田妃和)を下げる5バックを採用した。
相手のカウンターに対して数的優位な状況を作りつつ、クロスを上げられても中央にはDFリーダーの熊谷紗希ら守備の枚数は揃っている。
とはいえ、そうしたシーンを今W杯作られることは、スウェーデン戦までほとんどなかった。
なでしことって今大会のベストゲームは、一次リーグ3戦目・スペイン戦で間違いない。しっかりとブロックを作ってリトリートし、細かいパスを繋いでくるスペインのスキを突くように鮮やかなカウンターから得点を重ねた。
しかし、この試合がスウェーデンに日本攻略のヒントを与えてしまったようだ。
試合開始から攻勢に出たスウェーデンは、細かくパスを繋ぐものの、必ずサイドへ展開していった。中央エリアでボールを失えば、カウンターを受けるリスクが高まるからだ。