<60>小学生の私にスケート指導をしてくれたのは教師ではなく、生徒の保護者だった
■有志で成り立つ指導
そういえば私の場合、小学校の頃にスケート部を指導していたのは先生ではなく生徒の保護者だった。みな教師ではなく、ベニヤ工場や自動車整備工場の職員、郵便局員さん、農家のお父さんたちだった。
独自に指導者としての勉強をしながら、ボランティアのような形でコーチを務めていた。おかげで顧問になった先生たちが練習に見に来ることはなく、負担が減って助かっただろう。地域密着のアットホームな雰囲気。今のような専門的な指導者は少なかったが、熱意のある有志に頼ることで成り立っていた。
今では、教師の負担を減らすために指導者そのものを外部へ委託する制度も出てきた。しかし、これにはお金が発生するので、公立学校には限界があり、予算が潤沢な私立との格差が広がる原因にもなっている。
スポーツの発展や競技力向上も大事だが、先生たちの健康もないがしろにはできない。