井端弘和氏に2025年「中日監督」の青写真 侍J“暫定監督”でハクをつけ立浪和義氏の後釜に
標榜するのはスケールの大きな野球
井端“暫定”監督は、古巣・中日の人事とも密接にリンクする。さる中日OBは「井端は野心家ですから」と、こう続ける。
「立浪監督が就任する際の21年オフに入閣を要請されたものの、この時も固辞している。古巣のユニホームに袖を通す時は監督として、という思いが強い。自身が監督候補になっていることを理解しているし、チーム再建を果たして、亜大からドラフト下位(5位)で拾ってくれた中日に恩を返したいということだろう。関東在住で小学生の息子さんを抱えている上に、来たるべき時のために『もっと勉強したい』ということで、入閣の時期を見計らっているようだった」
実は中日の次期監督争いは人材が豊富だ。井端氏をはじめ、和田一浩(51)、福留孝介(46)、山本昌(58)、山崎武司(54)、川上憲伸(48)、岩瀬仁紀(48)、荒木雅博(46)ら、黄金時代を支えた主力の面々がスタンバイしている。
「2年連続最下位を走る立浪政権は、続投が決まったとはいえ、来季の成績次第では、3年契約最終年での退任が濃厚。そんな中、数いる有力OBの中でも評価が高く、球団内には理論派・井端待望論がある。監督を務めるU12では『日本人選手がメジャーに行って勝負できている。子供たちにも、小さいからとホームランバッターを諦めてほしくない』と宣言。前回大会でもバントはしなかった。あくまで日本野球の未来を考え、『スケールの大きな野球で勝ち抜きたい』と話していた。U18で小技を重視する馬淵監督にも堂々と苦言を呈した。バント廃止は小学生相手の話とはいえ、しっかりとした大局観を持ち、かつ、チーム打撃に徹した自身の現役時代がそうだったように、勝つ野球も知っている。打率も本塁打もリーグワーストの貧打にあえぐ球団が今、最も求めている監督です」(前出の中日OB)
井端氏はあえて成り手のいない侍監督を引き受けた上で、来年秋のプレミア12まで指揮を執る。ハクをつけて退任した後は、中日・立浪監督の後釜に確実に座る。そんな青写真がありそうだ。