2年連続女王・山下美夢有の強みとは? ティーショットの確実性、改めて示したゴルフの神髄
山下の場合、グリーンを外してもリカバリー率(パーオンしないホールでパーかそれより良いスコアを獲得する率)も(69.392=2位)高い。平均スコアも2年連続60台をマーク。今季のスタッツを見ると、まさに年間女王にふさわしい数字がズラリと並んだ。
FWキープの重要性は、米女子ツアーで戦う古江彩佳(23)や西村優菜(23)を見てもよくわかる。飛ばし屋揃いの同ツアーでは150センチ前後の2人は「セカンドオナー」が多い。それでもグリーンに乗せて難なくバーディーやパーを取る。スイングが安定しており、ボールが暴れることはめったにない。
■世界に通用する「スモールゴルフ」
機動力や小技を重視した野球を「スモールベースボール」というが、古江と西村が見せる「スモールゴルフ」も世界に通用することを証明している。
もちろんゴルフで大事なものはティーショットだけではない。アイアン、アプローチ、パットなど、どこかに不安を抱えていれば攻めのゴルフはできない。
今季悔しい思いをした女子プロたちはこのオフ、不安な部分を解消すれば競り合った戦いになり、見ているファンにとっては最後まで面白い展開になる。来季は「打倒山下」が増えて欲しいものだ。