楽天エースがまさかの転向…則本昂大は新守護神になれるのか?クローザー経験者が斬る
耳を疑ったファンも多いのではないか。
楽天のエース、則本昂大(32)が5日、契約更改の席で「来季はクローザーに転向する」と明かしたのだ。
2013年ドラフト1位で入団してから、先発一筋10年。1年目に15勝8敗、防御率3.34で新人王に輝くと、翌14年から18年まで5年連続で最多奪三振のタイトルを手にしている。
楽天は今オフ、守護神の松井裕樹が海外FA権を行使してメジャーに挑戦。代わりの抑えが必要なのは事実だが、まさかエースが……である。
過去にも先発から抑えに転向した投手はいるが、則本のように先発を10年もやってからとなると稀。元阪神・南海などの江夏豊氏、元巨人・レッドソックスなどの上原浩治氏くらいだ。
自身も先発から抑えになった経験のある評論家の武田一浩氏(通算89勝31セーブ)は「則本が、ですか? 本当ですか?」と驚き、こう続ける。
「抑えと先発の一番の違いは、常に全力で投げなければいけないこと。気を抜く暇がなく、登板する時は必ずチームの勝敗を背負うので、タフな精神力も求められます。則本はメンタルも強靭で、投球も強気。球威、制球力、変化球のキレも兼ね備えており、クローザーは向いていると思います。ここ2年は直球で空振りを取れずに苦しんでいた印象ですが、全力投球に専念できるポジションなら、復活の可能性も高い。則本にとっては、いい転機になるかもしれません」
則本が抜けた後の先発ローテという新たな問題は浮上するものの、とりあえず、守護神の穴埋めは何とかなりそうだ。