著者のコラム一覧
津田俊樹スポーツライター

産経新聞記者として1992年アルベールビル冬季、同年バルセロナ夏季五輪を取材。運動部長、論説委員を経て、現在フリー。2019年に東京五輪開催をめぐる問題点を指摘する「ブレないスポーツ報道」(言視舎)を出版。

東京五輪汚職裁判傍聴記(上)東京五輪汚職初公判 フィクサー高橋治之被告が見せた79歳らしからぬ戦闘モード

公開日: 更新日:

「大物ぶりを自ら演出して、乗せられたマスコミが虚像をつくってしまった。それを森(喜朗)クン(元首相)がうまく利用したんだ」

 山口氏は1990年代半ば、2信組事件に関わり背任容疑などで逮捕され、懲役3年6月の実刑判決を受け、服役した(刑期途中で仮釈放)。高橋被告の実弟でバブルの帝王といわれた故・治則氏(イ・アイ・イ・インターナショナル事件で逮捕、有罪となり最高裁に上告中に死去)とは深い親交があった。

 資産1兆円といわれた治則氏は「日本銀行は1万円札までしか刷れない。でも、私は1億円札だって刷れる」(「真説バブル」日経BP)とまで豪語、国会議員やキャリア官僚らをプライベートジェットに乗せ、自ら経営する香港や豪州のリゾートホテルに招いて接待漬けにした。

 高橋被告はその手法に倣い、スポーツ人脈を広げ、いつの間にか、ドン、フィクサーなどの“称号”がつくようになる。

「大したことないのに必要以上に重用された。みんな弟のカネが目当てだっただけさ。兄貴は弟におんぶに抱っこだったんだよ」(山口敏夫氏)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    演技とイケオジぶりで再ブレーク草彅剛と「10億円マンション売却説」中居正広氏との“絆”

  2. 2

    泉ピン子が終活をやめたワケ「渡る世間は(水原)一平ばかり!」スペシャルインタビュー

  3. 3

    阪神からの戦力外通告「全内幕」…四方八方から《辞めた方が身のためや》と現役続行を反対された

  4. 4

    キムタク一家の妹Kōki,は映画主演の裏で…フルート奏者の姉Cocomiの話題作りと現在

  5. 5

    かんぽ生命×第一生命HD 人生設計に大切な保険を扱う大手2社を比較

  1. 6

    米田哲也が万引きで逮捕!殿堂入りレジェンド350勝投手の悲しい近況…《苦しい生活を送っていたのは確か》

  2. 7

    イスラエルにあなたの年金が流れていく…厚労省「ジェノサイド加担投資」引き揚げ“断固拒否”の不可解

  3. 8

    坂本花織の世界選手権66年ぶり4連覇に立ちはだかる…国際スケート連盟の「反トランプ感情」

  4. 9

    カーリング日本女子が到底真似できない中国の「トンデモ強化策」…世界選手権では明暗クッキリ

  5. 10

    公表された重点施策で露呈…JR東海の株価低迷と時代遅れの収益構造