メジャーのFA移籍市場は空前の“日本人バブル” 10年で30倍以上の値上がり!
日本人選手がメジャーに挑戦する場合、避けては通れないのがFA市場である。
これまで日本人野手に限って見れば、FA市場にはバブル期が2度、氷河期が1度あった。1度目のバブルを象徴するのは2008年に4年4800万ドルの契約でカブスに入団した福留孝介である。イチローが01年にマリナーズに移籍した時の契約は3年1400万ドルだったのでその3倍以上、松井秀喜が03年にヤンキースに入団した時の契約が3年2100万ドルだったので、その2倍以上の契約規模である。
ここまで福留の契約規模が大きくなったのは05年に2年470万ドルでホワイトソックスに入団した井口資仁や、07年に3年770万ドルで入団した岩村明憲が、1年目から期待をはるかに上回る働きを見せ、日本人野手は外れがないと見なされるようになったからだ。
しかし、福留が超高額年俸に見合った働きができなかったことや、09年に挑戦した西岡剛が期待外れに終わったことで、日本人選手に対する評価は大幅に下がった。さらに、セスペデス、プイグらの活躍で「本当に即戦力になるのはキューバ亡命組」という認識が広がったため、日本人野手は見向きもされなくなった。そのあおりをもろに食ったのが青木宣親で、ブルワーズに12年に入団した時の契約規模は2年250万ドル。これは福留がカブスに入団した時の約20分の1の水準だ。このあと、メジャーに挑戦した中島宏之、田中賢介、川崎宗則の3人は格安のメジャー契約かマイナー契約で入団する羽目になった。