著者のコラム一覧
友成那智スポーツライター

 1956年青森県生まれ。上智大卒。集英社入社後、今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流、米国での現地取材も頻繁に行いアメリカ野球やスポーツビジネスへの造詣を深める。集英社退社後は、各媒体に大リーグ関連の記事を寄稿。04年から毎年執筆している「完全メジャーリーグ選手名鑑」は日本人大リーガーにも愛読者が多い。

メジャーのFA移籍市場は空前の“日本人バブル” 10年で30倍以上の値上がり!

公開日: 更新日:

 日本人選手がメジャーに挑戦する場合、避けては通れないのがFA市場である。

 これまで日本人野手に限って見れば、FA市場にはバブル期が2度、氷河期が1度あった。1度目のバブルを象徴するのは2008年に4年4800万ドルの契約でカブスに入団した福留孝介である。イチローが01年にマリナーズに移籍した時の契約は3年1400万ドルだったのでその3倍以上、松井秀喜が03年にヤンキースに入団した時の契約が3年2100万ドルだったので、その2倍以上の契約規模である。

 ここまで福留の契約規模が大きくなったのは05年に2年470万ドルでホワイトソックスに入団した井口資仁や、07年に3年770万ドルで入団した岩村明憲が、1年目から期待をはるかに上回る働きを見せ、日本人野手は外れがないと見なされるようになったからだ。

 しかし、福留が超高額年俸に見合った働きができなかったことや、09年に挑戦した西岡剛が期待外れに終わったことで、日本人選手に対する評価は大幅に下がった。さらに、セスペデス、プイグらの活躍で「本当に即戦力になるのはキューバ亡命組」という認識が広がったため、日本人野手は見向きもされなくなった。そのあおりをもろに食ったのが青木宣親で、ブルワーズに12年に入団した時の契約規模は2年250万ドル。これは福留がカブスに入団した時の約20分の1の水準だ。このあと、メジャーに挑戦した中島宏之田中賢介、川崎宗則の3人は格安のメジャー契約かマイナー契約で入団する羽目になった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇