巨人相次ぎ補強失敗、投打の柱メジャー流出懸念も…あるぞ阿部監督1年目Vの現実味
巨人のエース戸郷翔征(23)が9日、夢は大きく「MVPと日本一」を目標に掲げた。
宮崎・延岡市の母校、聖心ウルスラ学園で自主トレを公開。キャッチボールなど約3時間のトレーニングを行った。決め球のフォークだけでなく、カットボールやツーシームの精度を高めることにも挑戦。「体の内部までこだわってやっている。けが予防も含めて一から基本に忠実にやっている」と2年連続12勝から、さらなる飛躍を誓った。
すでに阿部慎之助監督(44)から開幕投手に指名されている。初の大役に「意気に感じるし、責任も感じる」と3月29日の阪神戦を見据えるエースは、冒頭の目標をブチ上げた上で「投手としてもタイトルを全部取るような勢いじゃないことには取れないと思う。そこを目標にやっていけたら」と威勢が良かった。
とはいえ、2年連続Bクラス4位に沈む巨人の補強状況は芳しくない。かつて専売特許だったFA戦線で山崎福(日本ハム)を取り逃がしたことがケチのつき始め。さる球界関係者がこう言った。
「それだけではありません。メジャー通算108発の外野手レイエスを取りにいったものの、争奪戦の末に日本ハムにさらわれた。昨年10月には巨人も手を挙げた『台湾の至宝』でU18台湾代表のエース孫も日本ハムと育成の4年契約を結んでしまった。これで日本ハムに3連敗です」
一方、貴重な右の大砲だった中田には自由契約を申し出られ、同一リーグの中日へ流出。来てくれない上に出ていかれる――。こんなありさまだから、オフの話題はほとんどなく、昨年38年ぶりに日本一となった「阪神連覇」を予想する評論家がほとんどだ。
そんな中、「戸郷、山崎伊など先発は計算できる巨人も戦力が充実してきました」とは、巨人でバッテリーコーチなどを務めた秦真司氏(野球解説者)である。
「課題はリリーフで、故障明けの抑え・大勢の状態が不透明で不安が残るものの、仮に大勢がダメでも、ドラフト1位で指名した西舘勇陽(21=中大)はいいと聞いています。クイック投法で制球も抜群。直球は常時150キロ超えでフォークとカットボールという決め球が2種類。三振奪取能力が高いことを評価している阿部監督はだから、リリーフで使いたいのでしょう。大勢や栗林(広島)など勢いのある新人がクローザーを務めるのは最近のトレンド。共通するのはフォークという武器があることで、相手に蓄積されたデータがない上に特殊な決め球があれば、活躍できる可能性が高くなります」