気まずさ極まれり…「感動的引退セレモニー」翌日に“スタメン出場”
「イマエサン、アシイタイ」
2005年9月22日、本拠地最終戦後に私の引退セレモニーが行われた。翌日は仙台へ移動しての楽天戦。感動的なセレモニーの後だけに試合に出る気なんてさらさらなかった。それが、試合前練習中に通訳の中曽根俊さんに一塁ベンチに呼ばれた。すると、ボビー・バレンタイン監督が冒頭の一言。三塁のレギュラーに定着していた今江敏晃(現・楽天監督)が足の違和感で試合に出られないという。
「今江さんの代わりにスタメンで出られますか?」
戸惑った。私が楽天戦に出ると知った選手会長の小林雅英(マサ)は「オレが流した涙を返してほしい。あんな感動的なセレモニーの翌日にスタメンだなんて……」とブツブツ言っている。なんとも気まずい思いをしたのだった。結局その試合は三塁手としてスタメン出場し、安打も放った。
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この年のロッテは15勝の渡辺俊介を中心に、清水直行、小林宏之、ダン・セラフィニ、久保康友、小野晋吾の先発ローテ全員が2ケタ勝利を挙げた。 リリーフ陣は薮田安彦、藤田宗一、マサの3人で形成した勝利の方程式「YFK」が屋台骨を支えた。