オリ西川龍馬が国内FA権行使の葛藤を赤裸々に吐露…広島・新井監督の「ひと言」が後押しに
「いつまで現役でいられるか分からない」
──国内FA権を取得したのは22年。広島に残留したが、その年のオフに移籍は考えなかった?
「考えてはいました。けど、どうしようかと考えているときに新井監督が就任することになり、新井監督といろいろと話すうちに残ってカープでやりたいなという気持ちが出てきました」
──西川選手にそう思わせる新井監督の魅力は?
「新井さんには選手の時から凄くお世話になっていました。新井さんは阪神から広島に復帰されてから寮住まいをしていたので、僕が寮にいるときも一緒にご飯を食べたり外に連れていってくれたり。いろいろとお世話になったので、広島に残って結果を出して、優勝したいと思ったのが、残留の理由です」
──新井監督が就任した昨年、広島は前年5位から2位に躍進した。
「新井監督はこちらが申し訳なくなるくらい選手にめちゃめちゃ気を使ってくれるんです。人柄ですよね。選手もなじみやすい監督で、最初は監督っていうか選手の時のままの雰囲気でした。そのおかげか、去年はいろんなことがうまくいきましたね」
──その新井監督の存在があっても、今回は移籍を決断した。
「僕ももう30歳になりますし、正直、いつまで現役でいられるか分からない。その中で、挑戦してみたい気持ちが強くなりました。カープを出る葛藤はもちろん、かなりありました。新井監督とも正直に話し合って、僕の思いを伝えました」
──新井監督はなんと?
「新井監督も広島から一度出ている人なので『気持ちもよく分かる。後悔だけはしてほしくない。俺が監督だからって気を使って残留するとかは絶対やめてくれ』と。『監督としては残ってほしいと思っている、でも俺個人としては後悔してほしくない』と言ってもらいました。少なからず後押ししてもらったところがあります。葛藤もありましたが、挑戦したい気持ちが強くなったので移籍を決断しました」 =つづく
(聞き手=橋本悠太/日刊ゲンダイ)
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後編では、リーグ4連覇を目指すオリックスと広島の違い、今季への意気込みなどを聞く。