ドジャース大谷「ダルへの憧れ」を超えたその先…初対戦で初安打、初盗塁の八面六臂
「阪神の藤浪(現メッツ)らを含めた合同のトレーニングだけじゃありません。大谷はダルが後輩の中田翔(現中日)と都内で行っていたトレーニングにも参加させてもらっていた。トレーニング後は一緒に食事をすることもあったといいます。メジャー挑戦を決める前年の16年、日本シリーズで足首を痛め、その後の強化試合で悪化。翌17年のWBCを辞退していますが、大谷は足首を痛めているオフの間もダル塾で汗を流しています。大谷があの筋骨隆々の体を手に入れたのは、ダルのレクチャーによるところが大きいと思う」とは日本ハムOBだ。
大谷はその後もダルとの自主トレを続けたものの、投打で力を発揮するようになると、ダルの反応は変わっていく。
15年には15勝、防御率2.24、勝率.750で投手三冠を獲得。高卒3年目での15勝到達は、日本ハムでは07年のダル以来。翌16年に自身のもつNPB公式戦最速記録を更新する163キロをマークすると、ダルは「バネはすごいけど、ボクみたいに調整して細かいことができるわけじゃない」と発言。大谷は「おまえを超えるから、超えられないように頑張れ」と伝えられたという。
そしてFAでドジャースに移籍すると、ダル自身のSNSのラジオ配信で「大谷くんも山本(由伸)くんも、もしパドレスが契約できるなら日本人で集まってドジャースを倒したいっていうのがあった。正直、力が抜けた」と言われた。
ダルに対してはさまざまな感情があったに違いないが、いまはそういったものを超越して、ドジャースでワールドシリーズを制すること以外、頭にない。因縁のダルとの初対戦で初安打。その感慨にひたるどころか、直後に二盗を決めて先制点を狙ったことが、何より大谷の世界一を狙うスタンスを物語っている。
試合後の大谷は、「勝てたのが一番かなと思う。チームとして粘り強く、諦めずに逆転できたのは良かった。最後まで試合に出られて、術後の経過としても良かった。(ダルとは)会釈くらいしたかったけど、ピッチクロックで時間がなかったので、塁上からになっちゃいました」と話した。
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国内で大谷の名前を聞かない日は無いほど、高い注目を集めている。いずれ大谷は日本にうんざりしやしないだろうか……。
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