“世界の盗塁王”福本豊さんは国民栄誉賞を打診され…「立ちションもできんようになるやん」
子供の頃からプロ野球に入るつもりだったのかと思いきや「いっぺんも思たことないですよ。なれるわけないやんか! こんなチッコイヤツが。せやから自分がドラフト7位で阪急に指名されたんも人に聞いて知ったんやから。“おまえの名前出てんぞ”て新聞見せられて、それでも“なんかの間違いやろ”そんなんでしたよ。阪急からも電話の1本もないし。後で聞いたら社会人チームにおったから、そこが窓口で連絡はあったらしいんですよ。通用するとも思てへんかったけど、話だけは聞いてみたかったから『一回会わしてください』言うて、会うたら、むちゃくちゃうまい肉食べさしてくれて、話しするたびに食べさしてくれはるから、悪いなと思て……」。「おいしい肉やなかったら?」とトミーズの雅くんが問うと、「(阪急に)入ってへんかもしれへんね」と飄々と返す言葉は“近所のおっちゃん”。
入団して初めてのキャンプの時は「まわり(の選手の体)が凄いから、えらいとこ来てもうたて思いましたよ。3年であかんかったらやめよと思たね」。
それが1年目から試合に出場し「縁と運ですよ」「努力もしたでしょ?」「それは当たり前。自分ができることはすべてやった上での“縁と運”やからね」と毅然と言われていたのが印象的でした。