「補助金Sランク」なのにナゼ!? 海外遠征“ほぼ自腹”の謎…巨額の補助金の使い道は?
しかし、宮脇は冒頭のファンからの質問に「海外8大会はほぼ自腹です。私は会社に出してもらっていますが……なるべく安い航空券など自己手配しています。特に学生やプロ型の選手には大きな負担です」と回答している。では、巨額の補助金はどこに流れているのか。
「ナショナルチームの場合、遠征費に充てられているのは確かですが、約半分ほどは選手側が負担していると聞きます。企業に所属していれば、それを会社が負担してくれるのですが、以前の宮脇選手のようなフリーの状態だと、完全な自腹になる。フェンシングは国外での実戦経験や合宿が重要なため、必然的に海外滞在が増えます。一方で、東京五輪に向けて2019年にNTC(ナショナルトレーニングセンター)に造られた練習場のコストが年間1億7000万円以上かかるそうで、その費用は協会が全額負担。それだけでも補助金の半分以上が消える計算になる。それに加え、パリ五輪でも注目された優秀なコーチ陣を海外から招聘しているため、彼らのギャラもかかる。『Sランク』でも選手に回す余裕はない」(スポーツライター)
アミューズメント企業「ネクサス」が所属選手に報奨金として、パリ五輪男子フルーレ団体で金メダルの敷根崇裕(26)と永野雄大(25)にそれぞれ1億円。エペ団体で銀メダルの見延和靖(37)に5000万円を贈る大盤振る舞いをしているが、懐が潤う選手はわずか。協会は東京五輪で男子エペ団体が初の金メダルに輝いた後もスポンサーはなかなか集まらず、資金の捻出に苦戦したというから、4年後も財布の中身は期待できそうにない。