著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

日本のスポーツ界は変化への「体感情報」を持った人材が圧倒的に少ない

公開日: 更新日:

 スポーツは審判がいなければ成立しない。国際審判員なしに記録は公認されない一方、あらゆる競技で日本の国際審判員は極めて少ない。複数の審判員が立ち会う競歩が典型だが、テニスバドミントンも、国際審判員を招いて試合を成立させる。不在の理由はコミュニケーション力だという。英語力? ただし、規則を作るのは審判ではない。競技団体の国際組織に日本の理事がいない、いても機能していないなら、語学力の話ではなくなる。とりあえず、2人の顔が浮かぶ。

 国際テニス連盟の副会長として88年ソウルでテニスの五輪復帰に貢献した故・川廷栄一、不可能と言われた東京マラソンを実現させた現財団理事長の早野忠昭。この2人は会議で相手の意見を聞き、自分の考えを述べることができた。いまはテレビ会議だ。失礼ながら、ずばぬけて流暢な英語とは思わないが、ともに元アスリートで、片やカメラマン、片やビジネスマンとして、フリーランスの立場で現場経験を積み人脈を得たーー彼らのように(スポーツの)変化への体感情報を持った人材が圧倒的に少ないのだ。

 選手の技量が向上すればなお不満は募り、裾野では不毛な誹謗中傷が飛び交う。選手も、国に戻れば下にも置かぬタレント扱いに悪い気はしないようだ。仕方ないと言うしかない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  2. 2

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  3. 3

    参院選で自民が目論む「石原伸晃外し」…東京選挙区の“目玉候補”に菊川怜、NPO女性代表の名前

  4. 4

    NiziU再始動の最大戦略は「ビジュ変」…大幅バージョンアップの“逆輸入”和製K-POPで韓国ブレークなるか?

  5. 5

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  1. 6

    サザン桑田佳祐の食道がん闘病秘話と今も語り継がれる「いとしのユウコ」伝説

  2. 7

    我が専大松戸の新1年生は「面白い素材」がゴロゴロ、チームの停滞ムードに光明が差した

  3. 8

    逆風フジテレビゆえ小泉今日子「続・続・最後から二番目の恋」に集まる期待…厳しい船出か、3度目のブームか

  4. 9

    新沼謙治さんが語り尽くした「鳩」へのこだわり「夢は広々とした土地で飼って暮らすこと」

  5. 10

    石橋貴明のセクハラ疑惑は「夕やけニャンニャン」時代からの筋金入り!中居正広氏との「フジ類似事案」