《柳田悠岐 #2》人並み以上のスピードとパワーを兼ね揃えていたがゆえの落とし穴
現在、チームを指揮している小久保監督が現役を引退したのは2012年。プロ2年目の柳田はその年、68試合で5本塁打、18打点と一軍定着の足がかりをつくりました。
現役時代の小久保は若手にハッパをかけるため、「おまえら今季の目標は? それ達成できたら、何か買ったるわ」と、ポケットマネーでニンジンをぶら下げていた。柳田も自分で設定した目標を達成し、時計をもらっていました。
ところが翌13年は成績が上がらない時期があり、「小久保さんが時計を取り返しに来るかもしれん」と笑いながら話していたのを思い出します。それでも最終的に打率.295、11本塁打、41打点と活躍。外野のレギュラーとして一本立ちをしたのも、小久保に受けた恩と、「自分がやらなければ」という責任感が芽生えたからでしょう。
ただ、ケガが多い選手でもある。今季も5月末に右太もも裏の肉離れで、全治4カ月と診断されました。
これはひとえにスピードがあるからだと僕は思っています。若い時はまだしも、年をとると本人が持つスピードや瞬発力に、筋肉がついていけなくなる。現在、筑後のファーム施設で寮長を務めている山口裕二さんも現役時代は俊足の外野手として活躍しましたが、やはりケガが多かった。具体的な件数はわかりませんが、現役時代に肉離れをやった回数はいまだに球界トップなんだとか。