佐々木朗希よ…せめてあと1年、吉井監督の下で準備期間を過ごせなかったのか。メジャーはそんなに甘くない
聞くところによれば、入団4年目、つまり、昨季には150イニングの投球回数を目安にしていたそうだが、その年の投球回数は91。初の2ケタ勝利となる10勝(5敗)を挙げた今季も、111回にとどまった。
あれだけ大事に、我慢して起用されながら、故障もあって目安に遠く及ばなかった。佐々木の体がついていけなかったわけだ。ちなみに、高卒同期入団のオリックス宮城大弥は2年目から4年連続で140回以上を投げている。
大谷翔平も日本ハム時代はまだ線が細かった。それでも、入団4年目にWBC強化試合のロッカールームでTシャツ一枚の姿を見たとき、その胸板の厚さに驚かされたことがある。メジャー移籍後はよりたくましさを増し、今や屈強なメジャーリーガー以上の体をしている。
それでも、肘を故障して2度の手術を余儀なくされているのだ。
大谷や佐々木のように160キロのスピードボールを投げるというのは、それだけ故障リスクが大きい。160キロを平気で打ち返してくるメジャーに行けば、より出力を上げる必要がある。向こうの打者と伍すには、落ちる球も多用せざるを得ないと思う。今の佐々木の変化球の割合は、スライダーとフォークが半々程度。向こうに行けば、フォークを多く使うことになるはずだ。そのフォークは肘に負担をかける。果たして佐々木の体は耐えられるのか。
せめてあと1年、吉井監督の下でメジャー移籍への準備期間を過ごせなかったか、と老婆心ながら思っている。