巨人・菅野智之が35歳でもメジャーで間違いなく結果を残すと思う根拠を話そう
菅野が得意とするスライダーは決め球になるのと同時に実は厄介な球種でもある。変化球の中では最も制球が容易で、ストライクが取りやすい。直球に自信が持てないときに少し曲げておけば安心する投手心理も手伝って、どうしても比率を高めてしまう。ここ数年の菅野は真っすぐとスライダーの割合がほぼ半々かそれ以上という印象で、体を縦軸で使えなくなったのも、横に曲げるスライダーを多投した弊害だと見ていた。
私が投手コーチを仰せつかった2017年のWBCで、日本代表のエース格だった菅野にこんなアドバイスをしたことを思い出す。あれは、先発を託した米国との準決勝の前だった。1次リーグの豪州戦、2次リーグのキューバ戦で失点していた菅野と小林誠司のバッテリーを呼び、「米国戦では攻め方を変えるぞ。真っすぐで押す。内角にもどんどんいく。外のスライダーに頼るのはもうやめよう」と言った。
結果は、年俸総額100億円超と言われた強力打線を相手に6回3安打1失点(自責0)。日本は敗れはしたものの、最速153キロの直球を内角、そして高めに投げ、6三振を奪った菅野の投球は圧巻だった。
15勝3敗、防御率1.67と復活を果たした今季、スライダーの比率が明らかに減った。メジャーの打者は腕が長く、踏み込んでくるからスライダーは危ないが、代わりに威力を増したスプリットとキレが戻った真っすぐを中心に戦えば、米国でも間違いなく結果が出る。