巨人痛恨!FA甲斐拓也と引き換えに被る“大損害”…人的補償の伊藤優輔は阿部監督の「秘密兵器」だった

公開日: 更新日:

「補強への疑問が拭えない」

 巨人OBの評論家、高橋善正氏がこう言う。

FAで甲斐を獲得した時点で、若手有望株の流出リスクは考えられた。余剰戦力となってしまうベテラン捕手の小林誠司が指名されるのならば、出場機会が増えるかもしれない本人のためにもベストだと思っていましたが、ソフトバンクはプロテクトリストに有望株の伊藤の名前がないのを見て、飛びついたのでしょう。巨人にとっては大きな損失。そもそも、そういうリスクが生じると分かっていながら、本当に甲斐を取る必要があったのか。甲斐は経験も実績も豊富な捕手でその実力も認めますが、巨人には昨季88試合に出場してレギュラー奪取の足がかりをつかんだ岸田、23年までの正捕手で打撃のいい大城、そのバックアップに小林と、他球団でもスタメンマスクをかぶれるレベルの捕手が3人もいる。二軍にだって期待の山瀬ら若手もいる中での補強ですからね。こうして伊藤の流出が現実のものになると、補強への疑問は拭えません」

 巨人では、原辰徳前監督が在任17年間で16人ものFA選手を獲得した。計9度のリーグ優勝を果たしたものの、その副作用も小さくなかった。第1次政権では退任後も含めて03年から4年連続V逸、第2次政権でも最終年の15年から4年連続で優勝を逃した。補強による育成の遅れが表面化し、後を引き継いだ堀内恒夫、高橋由伸両監督がその尻拭いをさせられ、優勝を果たすことなく志半ばでユニホームを脱がされた。

「第3次政権でも復帰後の連覇を最後に3年連続のV逸となり、巨人史上2度目の2年連続Bクラスで原監督も退任に追い込まれた。本当に必要な補強なら否定はしませんが、目先の安易なチーム強化策は育成を滞らせ、チーム内の正常な血の循環を狂わせるのは自明の理。優先起用される補強選手によって、数年後を見据えてチャンスを与えられるべき若手の出番が減り、成長の芽を摘む。それを補うためにまた補強をせざるを得ない悪循環。ツギハギを繰り返すことになるわけですから、当然、歪みが生じますよ」(前出の高橋氏)

 原前監督は在任中、「FAの人的補償は悪しきルール。今すぐ廃止した方がいい」と言っていたものだが、その前に安易なFA補強を見直すという発想はなかった。この先も阿部監督も同じことを繰り返すのか。

  ◇  ◇  ◇

 そんな巨人だが、他にも看過しがたい不安のタネがある。優勝に貢献した有能スコアラーが「人間関係が原因」でひっそりとライバル球団に移籍したのだ。つまり、「頭脳&膨大なデータが丸ごと流出した」と言っても過言ではない。どこの球団へ移ったのか。いったい巨人で何が起きているのか。

●関連記事【もっと読む】…では、それらについて詳しく報じている。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    佐々木朗希の「独りよがりの石頭」を球団OB指摘…ダルやイチローが争奪戦参戦でも説得は苦戦必至

  2. 2

    佐々木朗希「開幕メジャー確約なし」のナゼ…識者は《朗希サイドの非常識な要求》の可能性を指摘

  3. 3

    下半身醜聞の西武・源田壮亮“ウラの顔”を球団OBが暴露 《普通に合コンもしていたし、遠征先では…》

  4. 4

    佐々木朗希はロッテの「足枷」だった…いなくなってFA石川柊太の入団がもたらす“これだけのメリット”

  5. 5

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

  2. 7

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  3. 8

    佐々木朗希が大谷やダルを"排除”…交渉で選手同席を不可にした「本当の理由」とは

  4. 9

    佐々木朗希を徹底解剖する!掛け値なしの評価は? あまり知られていない私生活は?

  5. 10

    佐々木朗希の今季終了後の「メジャー挑戦」に現実味…海を渡る条件、ロッテ側のスタンスは

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  2. 2

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  3. 3

    木村拓哉は《SMAPで一番まとも》中居正広の大炎上と年末年始特番での好印象で評価逆転

  4. 4

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 5

    中居正広が払った“法外示談金”9000万円の内訳は?…民放聞き取り調査で降板、打ち切りが濃厚に

  1. 6

    若林志穂vs長渕剛の対立で最も目についたのは「意味不明」「わからない」という感想だった

  2. 7

    若林志穂が語った昭和芸能界の暗部…大物ミュージシャン以外からの性被害も続々告白の衝撃

  3. 8

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  4. 9

    9000万円トラブル“鎮火”失敗の中居正広…過去の薬物疑惑まで再燃で火だるま確実

  5. 10

    若林志穂さん「Nさん、早く捕まってください」と悲痛な叫び…直前に配信された対談動画に反応