【特別寄稿】松崎菊也 日本一のひねくれものが教える「大谷翔平」と「悪の帝国ドジャース」の楽しみ方
チームの勝敗より「孫」の活躍
孫の偉業を伝えるNHKスペシャルも、民放の特番「タモリステーション」からBS「スポーツ酒場語り亭」まで全て録画し、オフシーズン「孫ロスさん」と化すわが身の慰めとする。孫がホームランを打つとヒマワリの種を撒くテオや、クソ水原一平の横領に独り耐える孫の肩にそっと手を置くフリーマンを「いいやつだな」とは思うが、ドジャースファンではない。
だから佐々木朗希が入って活躍すれば孫の後輩としてよかったな、とは思うが、「こいつ孫を差し置いて」とも思うだろう。
今年も孫は打ちまくり、投げまくる。ドジャースが巨人やホークスと同じ札ビラでほっぺた叩く「悪の帝国」だろうが、ギャラはまだ受け取ってないんだから遠慮することはない。孫よ、思うがままにヒリヒリ過ごせ。
何? ドジャース? フン、先物買いと買い抜けのうまい株屋か。おい株屋よ、翔平だけは丁重に扱え。邪険にするとただではおかんからな。こっちは中古のダイハツ軽に乗る身ながら、孫からもらった「ポルシェ」と名付けてるんだ、年季の入り方が違う。
だから全国の翔平を孫と思うジジババよ、ドジャースの勝ち負けに関係なく翔平だけをブレずに応援するのだ、「なおエ」に慣れた身だ、「なおド」大いに結構!
今年のポストシーズンは夏の熱戦疲れで免疫力が低下し、帯状疱疹が出てヒリヒリしないように気をつけつつ、孫のヒリヒリを応援するのだ。全国のジジババ、それを楽しみに長生きしようぜ!
▽松崎菊也(まつざき・きくや) 1953年生まれ、大分県出身。「劇団民芸」に所属し、88年にコントグループ「ザ・ニュースペーパー」を結成。TBSラジオ「松崎菊也のいかがなものか!?」でパーソナリティーを務めた。現在も風刺エッセーやライブなどで活躍中。