「毒蝮流!ことばで介護」毒蝮三太夫氏

公開日: 更新日:

■「これからは“言葉によるかまい合い介護”の時代だよ」

 介護と聞けば、食事を作ったり、付き添いをするなど日常生活を世話するような行動を思い浮かべるが、年寄りのアイドルである著者が実践し、お勧めするのは別の方法。それが言葉による介護だ。

「俺、ラジオの中継で街に出て、お年寄りにババアとか死に損ないとかってケナし続けてきたじゃない。普通なら怒りそうなのに、言われた人はなぜかみな喜んでくれるから最初は不思議だったんだよ。でもある日、年寄りはかまわれることがうれしいんだ、って気付いた。俺は普通に接していただけだけど、話しかけることで年寄りが元気になるなら、言葉は立派な介護アイテムだよな」

 とはいえ、ただ毒舌を吐いているわけではない。何十万人という年寄りと接する中で自然と培われた“マムシ流つきあい術”があるという。

「俺はね、本心で今の平和な日本をつくったのは年寄りだと思ってるの。そうした感謝の念を持ったうえで心がけているのが、その人との間に『快適空間』をつくること。いってみれば温泉みたいに居心地がいい空間のことなんだけど、それにはまず笑顔が大事。笑顔がない言葉は“文字”だからね。で、下の名前で呼んだり、話を真面目に聞きながら、相手に楽しくなってもらうよう一緒になって面白がるんだ。年寄りは『時間の無駄だと思われてないか』っていつも気を使ってるんだよ。そこに気が付けば、やさしい気持ちで向き合えるものさ」

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  2. 2

    中日1位・高橋宏斗 白米敷き詰めた2リットルタッパー弁当

  3. 3

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  4. 4

    八村塁が突然の監督&バスケ協会批判「爆弾発言」の真意…ホーバスHCとは以前から不仲説も

  5. 5

    眞子さん渡米から4年目で小室圭さんと“電撃里帰り”濃厚? 弟・悠仁さまの成年式出席で懸念されること

  1. 6

    悠仁さま「学校選抜型推薦」合格発表は早ければ12月に…本命は東大か筑波大か、それとも?

  2. 7

    【独占告白】火野正平さんと不倫同棲6年 元祖バラドル小鹿みきさんが振り返る「11股伝説と女ったらしの極意」

  3. 8

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  4. 9

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  5. 10

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議