「消えた名画」大友義博監修
世界で一番有名な絵「モナ・リザ」もそのひとつだ。1911年、ルーブル美術館から「モナ・リザ」がこつぜんと消え、国中が大騒ぎになるが、2年後、美術館に出入りしていたイタリア人大工が画商に買い取り話を持ち掛けてきたため事件は解決。イタリアの至宝を母国に返したかったという大工は祖国の英雄としてもてはやされたという。
一方で、大工を陰で操っていた男がおり、男はモナ・リザが姿を消している間に真作と思わせて贋作6点を売りさばいたそうだ。
モネの「印象-日の出」やムンクの「叫び」なども実は過去に盗難に遭っている。人々を魅了する作品は、盗人の心をもとりこにするということなのかもしれない。
芸術の秋、どこかに今も眠っている名画に思いを寄せるちょっと変わった美術エンターテインメント本。
(宝島社 1100円)