「ボブ・マーリー よみがえるレゲエ・レジェンド」菅原光博、藤田正著
シンガーを夢見ながらも14歳で溶接工として働き始めるが、焼けた金属片が右目に飛び込むという仕事場での事故をきっかけに、プロミュージシャンになる決意を固める。
そんな彼が生み出した歌を菅原氏は「貧困を必死に生きる時に流した悲しみや苦しみの涙、血の一滴一滴から生まれたものだ」と語る。
「人が生きていく中でぶつかる困難を、真に生き抜く勇気と知恵を与えてくれる本物の音楽だ。人の生き方という大切なことを教えてくれる」。だからこそ、彼の歌は「聴いた人の魂の奥深くに永く生き続けるだろう」と。
きっと、その音楽に触れたことがない人も、全身を使って熱唱するステージの彼の写真から、ほとばしるメッセージを感じ、聴いてみたくなることだろう。
ベスト盤「レジェンド」が死後30年以上たった今も年間25万枚も売れ続けているというのもうなずける。
没後15年目に、彼の妻だったリタや子供たち、そして母親によるボブ・マーリー・ファミリーが総出演したニューヨークでのコンサートをはじめ、ジャマイカの生家やスタジオ、墓など縁の地を撮影した写真も網羅。ファンにとっては至極の宝物になるに違いない。