地方の時代は本当に来るのか
「地方を食いつぶす『税金フリーライダー』の正体」村山祥栄著
地方は伝統の力を持っているが、半面それは「利権」の集積であることも意味する。「税金フリーライダー」(タダ乗り)はそれぞれの地方にありがちな福祉行政の慣習や前例を利権の巣窟としてガンコに守る勢力のこと。
著者は8年前、地元・京都で同和政策の「裏行政」を告発し、大論争に火をつけた京都市議。本書ではふたたび巨額の人件費や給与額に迫る「不明朗な手当」、公共事業の粉飾大赤字、しがらみにどっぷりつかった不明瞭支出などに再びメスを入れる。「必ず地方は甦る。そのための体制破壊を今からはじめる」と胸をたたく著者の腕前に注目したい。(講談社 880円+税)