「京の暖簾と看板」竹本大亀著 渡部巌写真

公開日: 更新日:

 看板も同様、富岡鉄斎の揮毫を用いた洋菓子の「桂月堂」や、北大路魯山人が自書自刻した味噌「八百三」、そして棟方志功の書を黒田辰秋が彫刻した「河井寛次郎記念館」など。芸術品さながらの看板が惜しげもなく掲げられる。

 薬種の「雨森敬太郎薬房」の玄関の上に掲げられた立派な屋根付きの看板にいたっては、その一角だけまるで江戸時代に戻ったかのような錯覚さえ覚えてしまうほどだ。

 また京菓子の店では、瓦屋根の上に灯籠看板、軒下には間口いっぱいに水引暖簾、そして玄関先の暖簾と、商家の店構えをしっかりと今に伝える店が多い。

 なにしろ江戸の安政年間や享保年間創業などはざらで、干菓子の老舗「亀屋伊織」に至っては400年の歴史を持つという。その亀の絵が描かれた灯籠と半暖簾がなければ、変哲のない町家に見えるその店構えに、老舗ならではの矜持を感じる。

 昆布を商う「松前屋」は、亀屋伊織のさらに上をいく創業600余年。宮中に仕え禁裏御所御用を拝命してきた同店の暖簾に墨書された「御用所」の文字は、その歴史を決して汚さぬよう自らを律しているかのようだ。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  2. 2

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  3. 3

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  4. 4

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  5. 5

    やなせたかしさん遺産を巡るナゾと驚きの金銭感覚…今田美桜主演のNHK朝ドラ「あんぱん」で注目

  1. 6

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  2. 7

    大阪万博を追いかけるジャーナリストが一刀両断「アホな連中が仕切るからおかしなことになっている」

  3. 8

    今田美桜「あんぱん」に潜む危険な兆候…「花咲舞が黙ってない」の苦い教訓は生かされるか?

  4. 9

    “下半身醜聞”川﨑春花の「復帰戦」にスポンサーはノーサンキュー? 開幕からナゾの4大会連続欠場

  5. 10

    フジテレビ第三者委の調査報告会見で流れガラリ! 中居正広氏は今や「変態でヤバい奴」呼ばわり