人生を救う言葉編
「ブッダ100の言葉」佐々木 閑訳・監修
心の平安を得るために、外界を変えようとしたところで、どうにもならないなら、もはや自分を変えるしかない。
ブッダは言う。
「自分を救えるのは、自分自身である。他の誰が救ってくれようか。自分を正しく制御して初めて、人は得難い救済者を手に入れるのだ」と。
本書は、現存する原始仏典「ダンマパダ」「スッタニパータ」「サンユッタ・ニカーヤ」などから選んだブッダの言葉を訳出したものだが、その言葉の根底には一貫して厳しい自己鍛錬の姿勢がある。
人間の肉体を「骨が組み合わさって城郭が造られ、そこに肉と血が塗られ、その中に『老い』と『死』と『傲慢』と『ごまかし』が鎮座している」と、ブッダの言葉は決して甘くない。しかし、一見突き放した姿勢の果てに、外界のどんな出来事にも揺るがない救いの道があると説いている。(宝島社 1000円+税)