アメリカの汚れた戦争と中東情勢の真実

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「イラク・アフガン戦争の真実」ロバート・ゲーツ著、井口耕二ほか訳

 ブッシュ政権の国防長官といえばアフガン・イラク戦争の開戦を指揮したラムズフェルドが有名だが、その後を継いでブッシュ、オバマ両政権で国防長官を務めたのが著者。本書はその回想録だ。

 CIA出身でブッシュ父に取り立てられた著者によれば、世界一の軍事超大国の戦略の要であるはずの国防省ほど官僚主義のはびこる場はないらしい。陸海空軍の縄張り争い、戦時下にある組織とは思えない平和ボケなど著者の舌鋒は鋭い。

 CIA長官時代にドローン計画を後押しした著者は控えめな性格も手伝って長く重用されたが、実は国防の現場を対テロ戦争を口実に戦略面でも財政面でも例外だらけにした存在でもある。イラク・アフガン泥沼化の真相を解く文献としても有意義か。(朝日新聞出版 4000円+税)

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