「計画感染」大原省吾著
新庄直人はタイの河原で記憶を失った状態で覚醒した。タイ人少女の協力で羽田行きの726便に搭乗するが、機内で突然、未知のインフルエンザを発症する乗客が続出する。実は、五島列島の小島で、同一と思われるインフルエンザで、島民が多数死亡するという事件が起きていた。しかも、現在の治療薬では効かない。
新庄のアタッシェケースに特効薬が入っているが、暗証番号が分からない。726便からの連絡を受け取った官邸はパニック状態に陥った。国内の空港に着陸させれば、パンデミックが発生する。官房長官が言った「726便に消えてもらいましょう」。製薬企業の陰謀を描く医療サスペンス。(キノブックス 1600円+税)