「外骨 戦中日記」吉野孝雄著

公開日: 更新日:

 明治から昭和にかけて活躍した反骨のジャーナリスト・宮武外骨は、晩年に言論活動をほとんど停止していた空白の5年間がある。太平洋戦争の時期にも重なるその当時、外骨が何を考え、何を思い、どのように生きていたのか。往時の日記を読み解きながら、その空白を埋める評伝。

 昭和19年9月から21年2月まで(外骨77~79歳)つづられた日記は、主に箇条書きでその日の行動が覚書のように事実のみ記された簡素なもの。それもほとんどが戦時下で不足する食料の買い出しの記録である。そうした記述を他の資料と照らし合わせ、丹念に検証しながら、当時の外骨の暮らしぶりや戦争との向き合い方を浮かび上がらせた力作。(河出書房新社 2000円+税)


【連載】今日の新刊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    どこも書かない「箱根駅伝 山の神」のつくり方…指導経験者が“ルール破り”の実情を激白

  2. 2

    中居正広まるで“とんずら”の引退表明…“ジャニーズ温室”育ちゆえ欠いている当事者意識に批判殺到

  3. 3

    GACKTや要潤も物申した! 中居正広の芸能界引退に広がる「陰謀論」のナゼ

  4. 4

    NHKは「同様の事案はない」と断言するが…フジテレビ問題で再燃した山口達也氏の“EテレJK献上疑惑”

  5. 5

    フジテレビ日枝久相談役に「超老害」批判…局内部の者が見てきた数々のエピソード

  1. 6

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  2. 7

    フジテレビが2023年6月に中居正広トラブルを知ったのに隠蔽した「別の理由」…ジャニーズ性加害問題との“時系列”

  3. 8

    箱根駅伝で創価大も起用 ケニア人留学生の知られざる待遇

  4. 9

    フジ女子アナ“上納接待”疑惑「諸悪の根源」は天皇こと日枝久氏か…ホリエモンは「出てこい!」と訴え、OBも「膿を全部出すべき」

  5. 10

    中居正広「引退」で再注目…フジテレビ発アイドルグループ元メンバーが告発した大物芸能人から《性被害》の投稿の真偽