「ブルーネス」伊与原新著
地震研究所で地震の前兆すべりの研究をしていた準平は、東日本大震災をきっかけに辞職した。海洋地球総合研究所の武智に誘われ、面接に向かう途中で、見知らぬ男に声をかけられた。男は自分が立ち上げようとしているベンチャーに協力してくれる研究者を探していると言って、準平に連絡先のメモを渡した。その後、面接を受けた準平は、武智から、新しい津波監視システムの開発計画を打ち明けられる。だが、その計画は、研究所では武智の〈ご乱心〉と揶揄されていた。
〈地震村〉からはみだした研究者らが津波予測のプロジェクトに取り組む姿を描く、熱い科学エンターテインメント。(文藝春秋 1850円+税)