連日注目を集める小池知事の「劇場政治」に迫る
「都政大改革」野田数著
都知事選に出馬した小池氏の選対本部長をつとめた元都議の著者。いまは小池百合子政経塾の事務局長で、まさに子飼いの腹心だ。したがって本書はいわば小池陣営側から出された“都政方針の非公式説明書”というところか。
知事の東京大改革は「3つのシティー」の実現をめざすという。「セーフシティー、ダイバーシティー、スマートシティー」だ。セーフシティーは東京大地震に備えた安全都市づくり、スマートシティーは環境に配慮しつつ国際金融都市の役目を果たすIT化。ダイバーシティーは「多様化」の意味で都市(シティー)の意味ではないのだが、待機児童問題の解決などをふくむ「誰もが参加できる街づくり」のこと。江古田にある自宅は環境配慮住宅で「エコだハウス」と自称しているそうだから、オヤジギャグも小池流!?(扶桑社 800円+税)