「屋上のテロリスト」知念実希人著
太平洋戦争を境に日本は東西に分断。西日本共和国と東日本連邦皇国の国境には、巨大な壁がそそり立つ。東が領有権を主張する佐渡島に軍を侵攻させたため、緊張が高まる。
11月15日の終戦記念日、彰人が祝日で誰もいない高校の屋上から飛び降りようとした直前、声を掛けられる。声の主は同じクラスの不登校の問題児・沙希だった。
沙希は死を恐れぬ彰人を自らが計画するテロにスカウトする。半信半疑の彰人だが、1週間後、沙希は学校から連れ出した彰人に手伝わせ、現金輸送車から10億円を強奪。連れていかれたアジトには、東日本連邦皇国の特殊部隊が待ち構えていた。
祖国統一を目指す女子高生の壮大なテロ計画を描く長編エンターテインメント。
(光文社 620円+税)