中高年のニオイ対策には胸の中心と後頭部を洗え
風呂に入れば消える汗臭さとは異なり、なかなか抑えられないのが加齢臭。自分では気づくことができないのもやっかいなところだ。奈良巧著「におわない人の習慣」(草思社 1200円+税)では、中学生の頃からワキガに悩まされてきたニオイ対策のベテランという著者が、加齢臭の原因と対処法について紹介している。
加齢臭という言葉は、1999年に資生堂が“高齢者特有のニオイのもと”を発見した際に命名されたもの。ニオイのもとは脂肪酸と過酸化脂質が反応してできる「ノネナール」で、40代以上で発生するとされている。さらに、2013年にはマンダムが「ミドル脂臭」という言葉で中高年特有の脂っぽいニオイを解明。ジアセチルという有機化合物と細菌による皮脂の代謝物質が原因で、加齢臭よりも強いニオイを発するそうだ。
オジサンはクサイという事実を突きつけられるのはショックだが、原因が解明されているならば頑張って対策するしかない。“加齢臭は耳の後ろから臭ってくる”という話を聞いたことがあるが、一番の発生源というわけではない。洗い忘れやすい場所であり、鼻の位置にも近いため臭いやすくなるのだという。ライオンの研究所で行われた実験では、体の中でもっとも脂っぽいニオイが強いのは胸の中心部であることが分かっているため、加齢臭対策にはここを重点的に洗うようにしたい。
マンダムでは、ミドル脂臭が強く、対処が必要な場所を後頭部・首の後ろとしており、後頭部を重点的に洗うことを推奨している。当然シャンプーで洗っているはずだが、男性のシャンプーにかける時間は1分程度と非常に短く、とくに後頭部は最後にザッと手を回すだけという実態が明らかになっている。さらに、ミドル脂臭は洗っても6時間で復活してしまう。夜にシャンプーしても、朝にはムンムンと臭っているというわけだ。“朝シャン”がお勧めだが、そんな時間はないという忙しいビジネスマンのために、マンダムでは後頭部と首の後ろを拭くためのデオドラントペーパーを発売している。
著者が効果を実証したニオイ対策商品や、ニオイを抑える食習慣なども紹介。もうクサイとは言わせない!