「黙殺」畠山理仁著
先の東京都知事選挙。小池百合子、増田寛也、鳥越俊太郎の「主要3候補」のほか、スマイル党総裁・マック赤坂、選挙の鉄人こと中川暢三、そして、山口敏夫、立花孝志、上杉隆ら18人が立候補している。初めから落選と供託金300万円の没収も覚悟で、立候補することで政策論争をするのを望む彼らを、著者は敬意を込めて「無頼系独立候補」と呼ぶ。
小池劇場一色に染まった都知事選挙では、民放テレビ4社の看板ニュース番組で主要3候補と彼らとで割かれた報道時間の割合は「97対3」と圧倒的に少なく“黙殺”されている。
本書は無頼系独立候補たちの「独自の戦い」を追い続けた20年間の記録である。第15回開高健ノンフィクション賞受賞作。
(集英社 1600円+税)